Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くまとしゃしょう

赤い鳥代表作集 2

木内 高音

Leggi 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) di 木内 高音 (きうちたかね) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 14.043 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

――ほんとうに、家の人たちは、まだバナナさえも見たことがないのだ。要吉は、夢の中で、そういいながら、ごろんとひとつ寝がえりをうつと、昼間のつかれで、今度は夢もなんにも見ない、深い眠りにおちていきました。

三

朝のうちに、店の仕事がかたづくと、要吉は、自転車にのって、方々の家へ御用聞きにでかけなければなりません。それはたいてい、大きな門がまえのおやしきばかりでした。

勝手口へは、どこの家でも、たいがい女中さんがでてくるのでした。

「それではね、いちごを二箱と、それからなにかめずらしいものがあったら、いつものくらいずつ、届けてくださいな。」

そういったおおような注文をする家が多かったのです。要吉は、それをひとつひとつ小さな手帳にかきつけました。

昼からになって配達がすむと、今度は店番です。つぎからつぎと、いろんなお客がやってきます。

「なるべく上等なやつをいろいろまぜて、これだけかごにつめてくれ。ていさいよくのしをつけて。」

そういって、新しい札をぽんとなげだす人もあります。かと思うと、一山いくらのところをあれこれと見まわってから、ごそごそと帯の間から財布がわりの封筒をとりだす、みすぼらしいおばあさんもあります。