Classici giapponesi con furigana
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くまとしゃしょう
赤い鳥代表作集 2
木内 高音
Leggi 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) di 木内 高音 (きうちたかね) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 14.043 caratteri · 29 schermate
車の動揺のために、ともすると、よろけそうになるのを、じっとふみこらえて、ランプを片すみにさしつけると、大きな大入道のような影法師がうしろの板かべにいっぱいうつった。ぎょっとして、目を見はると、ふいに、すみの方でピカッと光ったものがある。自分は瞬間、ぞおっとして、立ちすくんでしまった。光りものは二つ。ランプの光をうけて、らんらんとかがやき、ぐるぐるとほのおのようにうずまいている。
「くまだ!」
そう気がつくと、自分はかえって、一時落着いたくらいであった。どうしてくまなぞがはいりこんだものか、そんな疑問をいだくよゆうもなく、自分は、ランプを持った手を、ぐいと、くまの方にさしだして、一歩しりぞいて身がまえた。くまは火をおそれる、ということをとっさの間にも、思い出したものとみえる。
「ううううううう………。」
くまもふいをうたれておどろいたらしく、ひくいうなり声をあげながら、じりじりとしりごみをしはじめた。
「このすきに、にげなければ………。」
ふっと気がついて、ランプをさしつけたまま、後ずさりにしりぞきはじめると、そのひょうしに、ひどく車がゆれて、自分は足もとのさけに足をふみすべらして、ドシンと横だおしになげだされてしまった。