Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.416 caratteri · 53 schermate
と切り口上で云った。金五十両と聞いて靱負は、とつぜん額を小突かれでもしたように、ぐいと顎を反らした。
「そのうち十両だけは小粒にしていただきたい」と去定は平気な顔で云った、「では先日のものを拝見しましょう」
「御診察は」
「献立を拝見してからです」
靱負はいそいで出ていった。
「壱岐どのは三万二千石だが、奏者番をながく勤めているので内福だ」と去定は云った、登に云ったのか独り言かよくわからないが、その口ぶりには嘲笑のようなひびきが感じられた、「なんの五十金や百金、どうせ自分で稼ぐわけではなし、痛くも痒くもないだろう」
そしてまた口の中で、なんの五十金や百金、といまいましそうに呟いた。
まもなく岩橋隼人という用人が来て、巻紙に書いたものを差出した。五日間の献立表で、むろん壱岐守の膳にのせるのだろう、去定は矢立を取って、記してある品名を次つぎと消し、そして数行の品目を書き加えた。
「百日間このとおりに差上げて下さい」と去定は巻紙を隼人に返しながら云った、「鳥肉卵は厳禁です、魚介と塩梅もこの指定を越えてはなりません、飯はこのまえにも固く申した筈だが、精げた米はお命をちぢめるばかりですから、麦七に米三の割をきっと守って下さい」