Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.351 caratteri · 43 schermate
――それに、もう男を知ってるようだっていうけれども、と猪之は続けた。あにきは遊び馴れているくせに、世間のことを知らなすぎるぜ。
――おれがなにを知らねえんだ。
――女のことをよ、と猪之は云った。昔はどうだかわからねえが、当節はね、生娘のままで嫁にゆく女なんて、千人に一人、いや、五千人に一人もいやあしねえぜ。
――おめえ知ってるのか。
藤吉はひらき直って反問した。おれも近いうちに嫁を貰うことになってる、相手が蠣殻町の娘のおちよだってことはおめえも知ってるだろう、おちよも生娘じゃねえっていうのか。冗談じゃねえ、と猪之は赤くなった。よしてくれ冗談じゃねえ、おらあそんな、だれかれと人をさして云ってるんじゃあねえ、うん、とそこで猪之は頭を反らした。
――おらあ世間一般のことを云ってるんだ。
――きいたふうなことを云うな。
――いつかあにきがいったことだぜ。
――なぞるにゃあ及ばねえや。
藤吉は「梅本」へ掛合いにいった。自分も縁談があったときだし、猪之のようすがきまじめなので、ついそうする気になったのだろう。およのは承知した。彼女は十八だといったが、やっぱりはたちにはなっていたようで、妹が一人どこかに奉公しているほか、面倒をみなければならないような者はなかった。