Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.351 caratteri · 43 schermate
着物を裏返しに着、三尺を前でしめたまま歩きまわったり、昼のうちぐうぐう眠って、夜は横にもならず、藤吉にどなられるまで独り言を云ったり、鼻唄をうたったりする。というふうな程度であるが、ただ一つ、どうしても仕事をしようとしないところに、病気のもとがあるのではないか、と藤吉は云った。
「植木を逆さまに植えたって」と去定が反問した、「おまえ見たのか」
「見ました、みんな根を上にして植えてあるのです」
去定は登を見た、「おまえはどう思う、やっぱり狂気だと診るか」
「わかりませんが、女のことが重なって、頭の調子が狂ったのではないかと思いました」
「違う、女ではない、藤吉だ」
登はけげんそうに去定を見返した。
「猪之は小さいじぶんから女にちやほやされた、おとなになってからも、女のほうから惚れてくるという、おれは診察をしながらようすをみたが、猪之はすっかり藤吉におぼれているのだ」と去定は云った、「女に好かれるあまり、女に向ける愛情が藤吉のほうにひきつけられた、これはむろん色情ではない、男が男に感じる愛情だが、猪之のばあいはそれが強く、複雑になっているだけだ」
「そうしますと、いまは藤吉といっしょにくらしているのですから、症状がよくなる筈ではないでしょうか」