Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.113 caratteri · 35 schermate
「十五日休ませろ」と去定は云った、「さもなければ、口が干あがるぐらいでは済まないことになるぞ」
その女主人は顔をひきつらせ、睨み殺そうとでもいうような眼つきで、去定をねめつけた。
おとよという少女のいた家では、「もうあの子はいない」と云った。養生所へ伴れてゆかれるかもしれないということばかり心配していたが、三日まえの朝早く、誰も気がつかないうちに逃げだしてしまった。ゆく先のあてもないのだから捜しようもない、ということであった。真偽はわからない、事実はよそへ売ったのではないか、と登は思った。このまえのときおとよは、女主人のことを「かあさん」と呼びかけて、慌てて「おばさん」と呼び直した。親類の子を預かっているというのも嘘だったらしいから、いま話していることも真実ではないだろう、そう思って去定を見たが、去定はべつに詮索もせず、黙って聞いていて、やがて立ちあがった。
十七軒めを済まして出たとき、去定が口の中で「医者にかかってくれればいいが」と呟くのが聞えた。外は黄昏れかかっていて、早くも酔っているらしい客が、あちらこちらに一人二人と、娼家の軒先で女たちと話したり、ふざけた声で笑ったりしていた。