Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.113 caratteri · 35 schermate

Aozora Bunko

七

男はぜいぜいと喉を鳴らし、首を左右に振りながら云った、「ごあんさまです」

「誰だと、はっきり云え」

「御徒町の」と男は喘ぎながら云った、「――井田の若先生です」

七

井田五庵、なにを云うか、と登は思った。井田五庵は養生所の医員である、父の玄丹とともに、御徒町で町医を開業しているが、親子二人とも、かよいで養生所の診療に当っている。ばかな云いぬけをするやつだと登は思ったが、去定は手を放して立ちあがった。

「それに相違ないだろうな」

「ほかにもいます」男は起き直って、苦しそうに喉を押えながら云った、「この湯島の荒巻っていう人と、天神下の先生などにもまえから頼まれていました」

「それも医者か」

男は頷いて咳をした、「二人ともお医者です、こんどは井田先生にせっつかれてやったんですが、井田先生はともかく、荒巻さんと天神下の石庵さんは、このしまでくらしを立ててるようなもんですから、へえ」

「わかった、もうよせ」と去定が遮った、「きさま立って、その辺から板切れを二三枚捜して来い」

幅と長さはこのくらい、と去定は手で寸法を示し、男はよろよろ立ちあがった。

去定はのびている四人を診てまわった。