Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.626 caratteri · 45 schermate
中でもいちばんよく聞えるのはおけいと、当のおきぬの声であった。
「殴りゃがったな、うぬ」というのはおきぬの声である、「人の頭へ手を当てやがったな、こいつら、きっ」
「これが人間の頭か、これが」というのはおけいの声で、「てめえにあるのは腰だけだろう、この腰で男をちょろまかしゃあがって、この口で人を殺しゃあがった、この淫乱の人殺しあま、こうしてくれるぞ」
「なにが人殺しだ、いっ」とおきぬがどなり返す、殴りあう音といっしょだが、張りのあるいさましい声だ、「泥棒だから泥棒だって云ったんだ、それがなんで人殺しだ」
「長が泥棒ならうぬは男ぬすっとの男強盗のはっつけあまだ、こう、こう、こう」殴る音と同時におけいが叫ぶ、「出ていけ、てめえなんぞにいられちゃあ長屋ぜんたいの恥っさらしだ、うせろ、出てうせろ」
「出ていけこのあま」他の女房の声が聞えた、「うちの宿六にまでいろ眼なんぞ使やあがって、こんちくしょう、かっちゃぶいてくれる」
「きっ、やりゃあがったな」
「かっちゃぶいてくれる、このいろきちげえめ、死んじまえ」
登は踵を返して差配の家へいった。
半月のち、五郎吉夫婦は長屋を去った。