Classici giapponesi con furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Leggi 赤外線男 (せきがいせんおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.889 caratteri · 78 schermate
「色盲でも無いようだが……気のせいじゃないか」
「いいえ、気のせいじゃないわ。先生がどうかしてらっしゃるんじゃなくって?」
「莫迦云っちゃいかん。君の眼が悪いのだよ。説明をつけるとこうだ。いいかい。君の右の眼と左の眼との色の感度がちがうのだ。今の話だと、君の左の眼は、青の色によく感じ、右の眼は赤の色によく感ずる。両方の眼の色に対する感覚がかたよっているんだ。それも一つの眼病だよ」
「そうでしょうか、あたし困ったわ」と白丘ダリアは一向困ったらしい様子も見せずに云った。「ンじゃ先生、あたしが今視ている右の眼の風景と、左の眼の風景と、どっちの色の風景が本当の風景なんでしょうか。どっちかの眼が本当のものを見て、どっちかの眼が嘘を視ているのですね」
「そりゃ困った質問だ」と今度は深山理学士の方が本当に弱ってしまった。「どうも君の網膜のうしろに僕の眼をやってみることも出来ないからネ」
そういって理学士は考え込んだ。
こんな調子で、二人はいつの間にか十年の知己のようになってしまった。
白丘ダリアの入所後はやくも五日のちには、赤外線テレヴィジョン装置がもう一と息で出来上るというところまで漕ぎつけた。