Classici giapponesi con furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Leggi 赤外線男 (せきがいせんおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.889 caratteri · 78 schermate
彼は先ず、警視庁の大きな石段をテクテク登っていった。
「どうです。何か見付かりましたか」彼は捜査課長の不眠に脹れぼったくなった顔を見ると、斯う声をかけた。
「駄目です」と課長は不機嫌に喚いてから、「だが、昨夜また犠牲が出たんです。今朝がた報せて来ました」
「なに、又誰かやられたんですか」
「こうなると、私は君まで軽蔑したくなるよ」
「そりゃ、一体どうしたというのです」帆村は自分でもなにかハッと思いあたることがあるらしく、激しく息を弾ませながら問いかえした。
「浅草の石浜というところで、昨夜の一時ごろ、男と女とが刺し殺された。方法は同じことです。女は岡見桃枝という女で、男というのが……」
「男というのが?」
「深山理学士なんだッ。これで何もかも判らなくなってしまった」
課長は余程口惜しいものと見えて、帆村の前も構わず、子供のような泪をポロポロ滾した。
「そうですか」帆村も泪を誘われそうになった。「じゃ貴方も深山理学士は大丈夫といいながら、一面では大いに疑っていたんですネ」
「そりゃそうだ。今となって云っても仕方が無いが、ひょっとすると、赤外線男というものは、深山理学士の創作じゃないかと思っていた」