Classici giapponesi con furigana
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えつねん
越年
岡本 かの子
Leggi 越年 (えつねん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.003 caratteri · 21 schermate
と興奮して罵りながら、加奈江のところへ戻って来た。
「行ってしまったんですか。いいわ、明日来たら課長さんにも立会って貰って、……それこそ許しはしないから」
加奈江は心もち赤く腫れ上った左の頬を涙で光らしながら恨めしそうに唇をぴくぴく痙攣させて呟いた。
「それがいい、あんた何も堂島さんにこんな目にあうわけないでしょう」
磯子が、そう訊いたとき、磯子自身ですら悪いことを訊いたものだと思うほど加奈江も明子も不快なお互いを探り合うような顔付きで眼を光らした。間もなく加奈江は磯子を睨んで
「無論ありませんわ。ただ先週、課長さんが男の社員とあまり要らぬ口を利くなっておっしゃったでしょう。だからあの人の言葉に返事しなかっただけよ」と言った。
「あら、そう。なら、うんとやっつけてやりなさいよ。私も応援に立つわ」
磯子は自分のまずい言い方を今後の態度で補うとでもいうように力んでみせた。
「課長がいま社に残っているといいんだがなあ、昼過ぎに帰っちまったわねえ」
明子は現在加奈江の腫れた左の頬を一目、課長に見せて置きたかった。
「じゃ、明日のことにして、今日は帰りましょう。私少し廻り道だけれど加奈江さんの方の電車で一緒に行きますわ」