Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きんせいかいじんでん

近世快人伝

夢野 久作

Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate

Aozora Bunko

と高笑いしおったが、後から考えるとソウいう自分の方が弱かったのかも知れんて、ハハハ。とにかく頭山は勿論、進藤という奴もドレ位強い奴かわからんと思うた。役人どもも呆れておったらしい。

それから今一つ感心な事がある。

獄舎にいる間には副食物に時々魚類が付く。……というても飯の上に鰯の煮たのが並んでいる位の事じゃったが、そのたんびに頭山は箸の先で上の方の飯を、その鰯と一所に払い除けて、鼻に押当てて嗅いでみる。そうしてイヨイヨ腥くないとこまで来てから喰う。尋常に喰うても足らぬ処へ、平生大飯喰いの頭山が妙な事をすると思うて理由を聞いてみると、きょうは死んだ母親何とかの日に当るけに精進をしよるというのじゃ。それを聞いてから自分はイツモ飯となると頭山の横に座ったものじゃがのう。ハハハ」

進藤喜平太翁も、その時分の事を筆者に述懐した事がある。

「拷問ちうたて、痛いだけの事で何でもなかったが、酒が飲めんのには降参した。飲みとうて飲みとうてならぬところへ、ちょうど虎烈剌が流行ってなあ。獄卒がこれを消毒のために雪隠に撒れと云うて酢を呉れたけに、それを我慢して飲んだものじゃ。