Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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「まよいのすえは」

「迷いの末は」

宮本 百合子

Leggi 「迷いの末は」 (「まよいのすえは」) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9069 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

然しながら、全体としてこの一篇の作品が提出しているものは、世界の東西を貫いて、波浪高い今日の社会における矛盾相剋の間で、意識的に体をしゃちこばらせつつ遂に揉みくしゃとなった人間の姿である。

鴎外以来、日本の作家はそれぞれの歴史的な時代に、それぞれの事情をもって海外への旅行を試みた。漱石も藤村も彼等の作家的発展の過程から、ヨーロッパとの接触をぬいて云うことは出来ない。円本時代に頻出した作家たちの海外漫遊は、ある一部の日本の作家達の経済的向上を語ったと同時に、微妙な独特性でその後におけるそれらの作家達の社会的動向に影響を及ぼした。

一九二九年以来、世界の事情は急変した。久米正雄氏が嘗て美しい夫人を伴ってアメリカ人と肩を並べ悠々漫歩したパリのヴル※(濁点付き片仮名「ワ」、1-7-82)ールには、きょう、その時分にはなかった種類の示威行列がねっているそうである。与謝野晶子、藤村などが詩を語って、思い出の中にまざまざ生かしているであろうカフェー・リラで、今日声高く談ぜられているのは常に必ずしも、文学、音楽のことのみではない。横光氏は座談会で云っている。「外国の文士というものは聊か政治批評をやっているね」