Classici giapponesi con furigana
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とじょう
途上
谷崎 潤一郎
Leggi 途上 (とじょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.060 caratteri · 32 schermate
そんなに知っていらっしゃるならもうお調べになるところはなさそうですよ」
「あはははは、そうおっしゃられると恐縮です。何分これで飯を食っているんですから、まあそんなにイジメないで下さい。―――で、あの筆子さんの御病身のことに就いてですが、あの方はチブスをおやりになる前に一度パラチブスをおやりになりましたね、………こうッと、それはたしか大正六年の秋、十月頃でした。かなり重いパラチブスで、なかなか熱が下らなかったので、あなたが非常に御心配なすったと云うことを聞いております。それからその明くる年、大正七年になって、正月に風を引いて五、六日寝ていらしったことがあるでしょう」
「ああそうそう、そんなこともありましたっけ」
「その次には又、七月に一度と、八月に二度と、夏のうちは誰にでもありがちな腹下しをなさいましたな。この三度の腹下しのうちで、二度は極く軽微なものでしたからお休みになるほどではなかったようですが、一度は少し重くって一日二日伏せっていらしった。すると、今度は秋になって例の流行性感冒がはやり出して来て、筆子さんはそれに二度もお罹りになった。即ち十月に一遍軽いのをやって、二度目は明くる年の大正八年の正月のことでしたろう。