Classici giapponesi con furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Leggi 連環記 (れんかんき) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.281 caratteri · 95 schermate
ただ茫然漠然としていたのみであった。
生は相憐れみ、死は相捐つという諺がある。其諺通りなら定基は早速に僧を請じ経を誦させ、野辺の送りを営むべきであった。しかし普通の慣例の如くに然様いう社会事相を進捗させるには定基の愛着は余りにも深くて、力寿は死んで確かに我を捐てたけれども、我は力寿を捐つるには忍びなかった。簀を易え机を按き、花を供し香を焼くような事は僕婢の為すがままに任せていたが、僧を喚び柩に斂めることは、其命を下さなかったから誰も手をつけるものは無かった。一日過ぎ、二日過ぎた。病気の性の故であったろうか、今既に幾日か過ぎても、面ざし猶生けるが如くであった。定基は其の傍に昼も居た、夜も臥して、やるせない思いに、吾が身の取置きも吾が心よりとは無く、ただ恍惚杳渺と時を過した。古き文に、ここを叙して、「悲しさの余りに、とかくもせで、かたらひ伏して、口をすひたりけるに、あさましき香の口より出来たりけるにぞ、うとむ心いできて、なく/\はふりてける」と書いてある。生きては人たり、死しては物たり、定基はもとより人に愛着を感じたのである、物に愛着を感じたのでは無かった。