Classici giapponesi con furigana
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じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
Leggi 進化と人生(上) (じんるいのせいぞんきょうそう) di 丘 浅次郎 (おかあさじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 82.343 caratteri · 164 schermate
利己心の凝固結晶したものかと思われるほどであるゆえ、かかる方面のみを見ると人道なるものはどこに存するかと疑わざるをえぬような心地がする。
しかしながら、また広く他人の行為を観察し、かつ自分の内心を顧みると、他人の悲しみを聞けばともに悲しくなり、他人の苦しみを見れば、これを助けたく感ずる利他同情の心の存在していることもまたたしかな事実である。仕合せの悪い悲惨な境遇にある人の話を聞けば、自然に涙が出て、どうにかして救うてやりたいとの心が生じ、重い荷をひく馬が坂で、苦しんでいるところを見れば、実に憐れである、助けてやりたいとの気になるが、この同情の心は決して表面を飾るための偽でもなく、教えられて覚えた結果でもなく、真に生まれたときから備わっている本能的性質である。その程度は各人決して一様ではないが、とにかくかかる性質がある程度において、たれの心の中にも存在することだけは決して疑うべからざることで、これがすなわちいわゆる人道なるものの源である。現今のありさまから考えてみると、人間には利他同情の心は利己心に比してはきわめて少量に存することも断言ができよう。