Classici giapponesi con furigana
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みちづれ
道連
豊島 与志雄
Leggi 道連 (みちづれ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.366 caratteri · 37 schermate
おやと思ったとたんに、向うの芋畑の畔の青草の上に、真白な狐が飛んで出た。そしてきょとんとした様子で、僕の方をちらと見やってから、前足を上げて額のあたりにかざしながら、おいでおいでと招くような手付を――足付を二三度して、またぴょんと芋畑の中に飛び込んでしまった。全身真白な艶々した毛並で、芋の葉からはらりとこぼれた露の玉よりも、もっと美しい銀色だった。
それからしいんとなった。僕は喫驚してあたりを見廻した。月の光が一面に降り濺ぐような晴々とした夜だった。急に四方が明るくなって、胸の中までも明るくなった。僕はもう恐ろしくも何ともなかった。白狐のお稲荷様の使だ。僕の屋敷の中に祭ってあるお稲荷様が、僕を迎いに白狐を寄来されたんだ、そう思ってみると、何だか急に豪くなったような気がして、もう蝋燭の燃えつきかけてるのも気にならなくなった。
後でそのことを話すと、母はそれを白兎だろうと云った。然し僕は白狐だったと云い張った。実際今でも白狐だったと思っている。
それだけの話なんだが……。なに、そんなお伽噺なんか面白くもないって、そりゃそうかも知れないが、然し君、人生は先ずお伽噺から初まるんだ。