Classici giapponesi con furigana
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いこん
遺恨
Leggi 遺恨 (いこん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.706 caratteri · 22 schermate
パンパンをなぐれ。パンパンをなぐれ」
どういうわけだか、先生も、よく分らない。とりとめもなく、恐怖の影絵が走るばかりで、その映像の実体が、自分にも分らぬのである。喚くうちに、先生の気持は勇みたたずに、悲しくなり、切なさにたまらなくなるのであった。
「なぐってくれ! オレを。オレをなぐれ。オレをなぐれ。イタイ、イタイ、イタイヨ。ヒドイヨ」
先生がながらく学校を休んでいるので、大学生が心配して見舞いにきた。
医者にかゝらぬから分らぬけれども、先生はもう肺炎になっているのかも知れなかった。
学生達は先生のウワゴトをきいて、相談した。
「先生は安パンパンを買って、カゼをひいたんだぜ。あいつら、野天でやるからな。衛生にわるいよ」
「もう先生は死ぬらしいな」
と、一人がつぶやいた。三人はソッと目を見合せた。
一人が大人ぶった顔をして、落着いて言った。
「じゃア、うちのパンパンをつれてきてやるさ。パンパンの罪だからな。どのパンパンでも、おんなじだい。先生にあやまらせるんだ。なぐる、と云ったら、なぐらせてもいいじゃないか。思いをとげる、ということは、大切なんだ。オレは何かで読んだことがあるよ。