Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

じゃしゅうもん

邪宗門

芥川 竜之介

Leggi 邪宗門 (じゃしゅうもん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.184 caratteri · 79 schermate

Aozora Bunko

その内に御酒機嫌の若殿様が、ふと御姫様の方へ御向いなさりながら、

「今も爺の申した通り、この狭い洛中でさえ、桑海の変は度々あった。世間一切の法はその通り絶えず生滅遷流して、刹那も住すと申す事はない。されば無常経にも『未四曾有三一事不レ被二無常呑一』と説かせられた。恐らくはわれらが恋も、この掟ばかりは逃れられまい。ただいつ始まっていつ終るか、予が気がかりなのはそれだけじゃ。」と、冗談のように仰有いますと、御姫様はとんと拗ねたように、大殿油の明るい光をわざと御避けになりながら、

「まあ、憎らしい事ばかり仰有います。ではもう始めから私を、御捨てになる御心算でございますか。」と、優しく若殿様を御睨みなさいました。が、若殿様は益御機嫌よく、御盃を御干しになって、

「いや、それよりも始めから、捨てられる心算で居ると申した方が、一層予の心もちにはふさわしいように思われる。」

「たんと御弄り遊ばしまし。」

御姫様はこう仰有って、一度は愛くるしく御笑いになりましたが、急にまた御簾の外の夜色へ、うっとりと眼を御やりになって、

「一体世の中の恋と申すものは、皆そのように果ないものでございましょうか。