Classici giapponesi con furigana
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ごうすけほうし
郷介法師
国枝 史郎
Leggi 郷介法師 (ごうすけほうし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.163 caratteri · 21 schermate
郷介の養父は九州に名高い、龍造寺家の長臣であったが、養子郷介を貰い受けた時、ある有名な人相見が、親殺しの相があると喝破した。それを恐れて郷介の義父ははるばる備前まで遣って来て、光善寺へ郷介を捨たものである。
子を捨るような無慈悲な親が、立身出世するはずがない。先ず妻に先立たれ、つづいて主家を浪人した。どこへ行っても志を得ず、乞食とまで零落したが、捨た子のことが気にかかり、はるばる光善寺まで辿って来た時、今度の運命に遭遇したのである。
郷介の出家を耳にすると、浮田直家は莞爾とした。
「利口な奴だ。命冥加な奴だ。……余りに鋭い彼奴の知恵、うかうかすると主人の俺が今度は寝首を掻かれようも知れぬ。で、月姫を結婚わせて置いて、油断を窺い取って抑え首捻じ切ろうと思っているに、早くも様子を察したと見える。……利口な奴だ。命冥加な奴だ」
しかし直家のこの考えは一ヶ月経たずに裏切られた。彼の愛女月姫が行方不明になったのである。その盗手は郷介であった。子を捨る親、養父を殺す子、君を殺す家来、家来を計る君、昨日の味方は今日の敵、悲風惨憺たる戦国時代では、なまじ出家などするよりも賊になった方が気が利いていると、更に心機を再転させ、その手始めに恋する女を浮田の奥殿から奪ったのである。