Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とかいはぜいたくだ

都会はぜいたくだ

小川 未明

Leggi 都会はぜいたくだ (とかいはぜいたくだ) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 4024 caratteri · 8 schermate

Aozora Bunko

なぜなら、雪の降る寒い晩に、おじいさんは、出かけてゆきました。村の子供らは、窓の外で鳴り叫ぶあらしの音に耳を澄まして、幾枚も蒲団をかぶっても、まだ震えがちにちぢこまっているのに、おじいさんは出かけなければなりませんでした。

川の上には雪が積もっていました。そして、その下の流れは、止まっていました。おじいさんは雪を掘り氷を破ると、その下に、黒い水がものすごく、じっと見上げています。おじいさんは、カンテラの火で水の面を照らしました。これは、眠っている魚を呼び寄せるためであります。

もう長い間、穴の中に、または、深い水底に眠って、春のくるのを待っていた魚たちは、ふいに明るくなったので、びっくりしました。

「なんだろうな。」

「月でないかしらん?」

「雪が積もっているのに、月のさすはずがないじゃないか。」

「でも、明るく、なにか、水を照らしているようだ。」

「それにちがいない。おれたちは、もう長い間眠った。いつのまにか、雪が消えて春になったのでないだろうか。」

「そんなことはない。まだ、水が、こんなに冷たい。そして、どこにも春らしい気分はこない。こんな変わったことのあるときは、要心が必要なのだ。