Classici giapponesi con furigana
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じゅうきちひょうりゅうきぶん
重吉漂流紀聞
久生 十蘭
Leggi 重吉漂流紀聞 (じゅうきちひょうりゅうきぶん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.456 caratteri · 52 schermate
そういうなり、細苧の長繩をひきだし、震える手で輪索をつくりだした。重吉はやめさせたく思うが、反対すると海へでも飛びこみかねぬ見幕だから、「お船頭、おぬしも死ぬな」と念をおされるたびに、「死ぬとも、死ぬとも」とうなずいてみせるほかなかった。
しかしこういう有様では、いずれみな気が狂ってしまう。なにか気をまぎらせる方法はないものかと考えたすえ、かわいそうだとは思ったが、分けた米を欺してとりあげ、太繩で大きな玉数珠をこしらえ、数珠繩を繰って、朝夕、念仏百万遍を唱えたものにだけ米を木皿に一杯、水を茶碗に一杯やると触れだした。欺されたと腹をたてるものもあったが、このたびばかりは重吉もきかないので、そういうてあいも追々折れて出た。寝框に入りこみ、なんといっても動かないつもりの組も、命のあるかぎりは米を食いたい。あちらから二人、こちらから一人という風に這いだしてきて、いやいやながら百万遍を繰るようになったが、わずかばかりの豆の粉と水でかすかに命をつないでいるのだから、百万遍を繰るのが大儀でならない。伊豆柿崎の三郎助が、ある日とうとう癇をたて、
「えい、無駄なことだ。