Classici giapponesi con furigana
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のわき
野分
Leggi 野分 (のわき) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.508 caratteri · 189 schermate
もっともわがままなる善人が二人、美くしく飾りたる室に、深刻なる遊戯を演じている。室外の天下は蕭寥たる秋である。天下の秋は幾多の道也先生を苦しめつつある。幾多の高柳君を淋しがらせつつある。しかして二人はあくまでも善人である。
「この間の音楽会には高柳さんとごいっしょでしたね」
「ええ、別に約束した訳でもないんですが、途中で逢ったものですから誘ったのです。何だか動物園の前で悲しそうに立って、桜の落葉を眺めているんです。気の毒になってね」
「よく誘って御上げになったのね。御病気じゃなくって」
「少し咳をしていたようです。たいした事じゃないでしょう」
「顔の色が大変御わるかったわ」
「あの男はあんまり神経質だもんだから、自分で病気をこしらえるんです。そうして慰めてやると、かえって皮肉を云うのです。何だか近来はますます変になるようです」
「御気の毒ね。どうなすったんでしょう」
「どうしたって、好んで一人坊っちになって、世の中をみんな敵のように思うんだから、手のつけようがないです」
「失恋なの」
「そんな話もきいた事もないですがね。いっそ細君でも世話をしたらいいかも知れない」