Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のわき

野分

夏目 漱石

Leggi 野分 (のわき) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.508 caratteri · 189 schermate

Aozora Bunko

「そりゃ世話をする方から云えばそうだろう」

「じゃ君は何か僕に対して不平な事でもあるのかい」

「不平はないさありがたいと思ってるくらいだ」

「それじゃ心快く僕の云う事を聞いてくれてもよかろう。自分で不愉快の眼鏡を掛けて世の中を見て、見られる僕らまでを不愉快にする必要はないじゃないか」

高柳君はしばらく返事をしない。なるほど自分は世の中を不愉快にするために生きてるのかも知れない。どこへ出ても好かれた事がない。どうせ死ぬのだから、なまじい人の情を恩に着るのはかえって心苦しい。世の中を不愉快にするくらいな人間ならば、中野一人を愉快にしてやったって五十歩百歩だ。世の中を不愉快にするくらいな人間なら、また一日も早く死ぬ方がましである。

「君の親切を無にしては気の毒だが僕は転地なんか、したくないんだから勘弁してくれ」

「またそんなわからずやを云う。こう云う病気は初期が大切だよ。時期を失すると取り返しがつかないぜ」

「もう、とうに取り返しがつかないんだ」と山の上から飛び下りたような事を云う。

「それが病気だよ。病気のせいでそう悲観するんだ」

「悲観するって希望のないものは悲観するのは当り前だ。