Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のわき

野分

夏目 漱石

Leggi 野分 (のわき) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.508 caratteri · 189 schermate

Aozora Bunko

――たちまち拍手の声が一面に湧き返る。

「今のは面白かった。今までのうち一番よく出来た。非常に感じをよく出す人だ。――どうだい君」と中野君が聞く。

「うん」

「君面白くないか」

「そうさな」

「そうさなじゃ困ったな。――おいあすこの西洋人の隣りにいる、細かい友禅の着物を着ている女があるだろう。――あんな模様が近頃流行んだ。派出だろう」

「そうかなあ」

「君はカラー・センスのない男だね。ああ云う派出な着物は、集会の時や何かにはごくいいのだね。遠くから見て、見醒めがしない。うつくしくっていい」

「君のあれも、同じようなのを着ているね」

「え、そうかしら、何、ありゃ、いい加減に着ているんだろう」

「いい加減に着ていれば弁解になるのかい」

中野君はちょっと会話をやめた。左の方に鼻眼鏡をかけて揉上を容赦なく、耳の上で剃り落した男が帳面を出してしきりに何か書いている。

「ありゃ、音楽の批評でもする男かな」と今度は高柳君が聞いた。

「どれ、――あの男か、あの黒服を着た。なあに、あれはね。画工だよ。いつでも来る男だがね、来るたんびに写生帖を持って来て、人の顔を写している」

「断わりなしにか」