Classici giapponesi con furigana
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のわき
野分
Leggi 野分 (のわき) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.508 caratteri · 189 schermate
下劣なる趣味を拘泥なく一代に塗抹するは学人の恥辱である。彼らが貴重なる十年二十年を挙げて故紙堆裏に兀々たるは、衣食のためではない、名聞のためではない、ないし爵禄財宝のためではない。微かなる墨痕のうちに、光明の一炬を点じ得て、点じ得たる道火を解脱の方便門より担い出して暗黒世界を遍照せんがためである。
「このゆえに真に自家証得底の見解あるもののために、拘泥の煩を払って、でき得る限り彼らをして第一種の解脱に近づかしむるを道徳と云う。道徳とは有道の士をして道を行わしめんがために、吾人がこれに対して与うる自由の異名である。この大道徳を解せざるものを俗人と云う。
「天下の多数は俗人である。わが位に着するがためにこの大道徳を解し得ぬ。わが富に着するがためにこの大道徳を解し得ぬ。下れるものは、わが酒とわが女に着するがためにこの大道徳を解し得ぬ。
「光明は趣味の先駆である。趣味は社会の油である。油なき社会は成立せぬ。汚れたる油に廻転する社会は堕落する。かの紳士、通人、芸妓の徒は、汚れたる油の上を滑って墓に入るものである。華族と云い貴顕と云い豪商と云うものは門閥の油、権勢の油、黄白の油をもって一世を逆しまに廻転せんと欲するものである。