Classici giapponesi con furigana
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かわぐちこ
野菊の墓他六篇
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.105 caratteri · 61 schermate
不景気で相当に苦しめられてるところへこの打撃は、病身のからだに負傷したようなものであった。
三頭目の斃牛を化製所の人夫に渡してしまってから、妻は不安にたえない面持ちで、
「こう間の悪いことばかり続くというのはどういうもんでしょう。そういうとあなたはすぐ笑ってしまいますけど、家の方角でも悪いのじゃないでしょうか」
「そんなことがあるもんか、間のよい時と間の悪い時はどこの家にもあることだ」
こういって僕はさすがに方角を見てもらう気も起こらなかったが、こういう不運な年にはまたどんな良くないことがこようもしれぬという恐怖心はひそかに禁じ得なかった。
四
五月の末にだれひとり待つ者もないのにやすやすと赤子は生まれた。
「どうせ女でしょうよ」
妻はやけにそういえば、産婆は声静かに笑いながら、
「えィお嬢さまでいらっしゃいますよ」
生まれる運をもって生まれて来たのだ。七女であろうが八女であろうが、私にどうすることもできない。産婆はていちょうに産婆のなすべきことをして帰った。赤子はひとしきり遠慮会釈もなく泣いてから、仏のような顔して眠っている。姉々にすぐれて顔立ちが良い。