Classici giapponesi con furigana
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ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (ななこ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.271 caratteri · 144 schermate
おはまはおとよさんの来たのを見るや、庭まで出ておとよさんを迎え、おとよさんの風の上から下まで見つめて、やがておとよさんの物をこれは何これはどうしてと、一々聞いて見る。おとよさんは十九だというけれど、勝気な女だからどう見たって二十前の女とは見えない。女としてはからだがたくまし過ぎるけれど、さりとて決して角々しいわけではない。白い女の持ち前で顔は紅に色どってあるようだ。口びるはいつでも「べに」をすすったかとおもわれる。沢山な黒髪をゆたかに銀杏返しにして帯も半襟も昨日とは変わってはなやかだ。どう見てもおとよさんは隣の清さんが嫁には過ぎてる。おとよさんの浮かない顔するのもそれゆえと思えばかわいそうになってくる。
「省作、いくら仕事になれないからとて、そのからだで女に刈り負けるということないど。どうでもえいと思ってやれば、いつまでたったって仕事は強くならない」
母は気づかって省作を励ますのである。省作は例のごとくただにこりの笑いで答える。やがて八人用意整えて目的地に出かける。おとよさんとおはまの風はたしかに人目にとまるのである。まアきれいな稲刈りだこととほめるものもあれば、いやにつくってるなアとあざけるものもある。