Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はまぎく

野菊の墓

伊藤 左千夫

Leggi 野菊の墓 (はまぎく) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.907 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

気のせいかいやに湿りぽく腰の落つきが悪い。予の神経はとかく一種の方面に過敏に働く。厄介に思われてるんじゃないかしら、何だか去年や其前年来た時のようではない。どうしたって来たから仕方なしという待遇としか思われない。来ねばよかったな、こりゃ飛だ目に遭ったもんだ。予は思わず歎息が出た。

岡村もおかしいじゃないか、訪問するからと云うてやった時彼は懇に返事をよこして、楽しんで待ってる。君の好きな古器物でも席に飾って待つべしとまで云うてよこしながら、親父さんだって去年はあんなに親切らしく云いながら、百里遠来の友じゃないか。厄介というても一夜か二夜の宿泊に過ぎんのだ。どうも解らんな。それにしても家の人達はどうしたんだろう。親父さん、お母さん、それからお繁さん、もう寝たのかしら。お繁さんはきっと家に居ないに違いない。お繁さんが居れば、まさかこんなにおれに厭な思いはさせまい。そうだきっとお繁さんが居ないに違いない。

予は洋燈を相手に、八畳の座敷に一人つくねんとしてまとまった考えがあるでもなく、淋しいような、気苦しいような、又口惜しいような心持に気が沈む。馬鹿々々しく頭が腐抜けになったように、吾れ知らず「こんな所へくることよせばよかったなア」