Classici giapponesi con furigana
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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
Leggi 金属人間 (きんぞくにんげん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.616 caratteri · 157 schermate
そのかわり、審査に一年以上を要したのであった。
その間に針目博士――いや、まだ博士にはなっていない針目左馬太学士は、大学の研究室を去って、みずから針目研究室を自分の家につくり、ひたむきな研究に没頭した。
さいわいにも、針目博士の家は、曾祖父の代からずっと医学者がつづいており、曾祖父の針目逸斎、祖父の針目寛斎、父の針目豹馬と、みんな医学者であり、そして邸内に、古めかしい煉瓦建ではあるが、ひじょうにりっぱな研究室や標本室、図書室、実験室、手術室などがひとかたまりになった別棟の建物があったのである。当主である彼、左馬太青年がそこを仕事場にえらんだことは、しごく自然であった。
不幸なことに――他人が見たら――かれは、もっか身よりもなく、ただひとりであった。両親と弟妹の四人は、戦争中に疎開先で戦災にあって死に、東京で大学院学生兼助手をして残っていた、かれ左馬太だけが生き残っているのである。そういう気の毒なさびしい身の上であったが、かれ自身はいっこう気にかけていないように見え、その広い邸宅に、四人の雇人とともに生活していた。
博士論文が通過するまでの約一年間に、かれがまとめあげた研究論文は五つ六つあった。