Classici giapponesi con furigana
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きんば
金歯
小川 未明
Leggi 金歯 (きんば) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 7108 caratteri · 14 schermate
」と、母親は、笑いました。
「だって、お母さんは、よく、私みたいな不幸なものはない、芝居なんか、もう何年見たことがないと、おっしゃるじゃありませんか?」と、さき子はいいました。
「つい愚痴をいってしまって、後から、すまないと気がつくのです。私なんかは、どうでも、これから世の中へ出かけなければならぬ、おまえたちのことを考えると、そんな、もったいないことはいえないのですからね。」
「お母さん、私が、働いてお金が取れるようになったら、きっと、お母さんのすきな、お芝居を見せてあげますわ。」
「ほんとうに、芝居なんか、見たくありません。おまえも、令二も、そうやさしくいってくれます。それだけで、私は、もう、幸福なんです。」
母親は、娘がそれを見て、心でお母さんの癖がはじまったと思っているのも知らずに、火ばしの先で、火鉢の灰の上に、点々をつけていました。
このとき、思い出したように、木枯らしが、叫びを静かな空に上げました。それは、忘れていた令二を、二人の胸の中に、呼びもどしたのでした。
「令ちゃんは、おそいが、どうしたんでしょう。」と、さき子が、いいました。
「今日は、たぶん描き上げるだろうから、おそくなるかもしれないといっていました。