Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きんぎょはしんでいた

金魚は死んでいた

大下 宇陀児

Leggi 金魚は死んでいた (きんぎょはしんでいた) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.514 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

その訊問の模様は、大略次の如きものであつた。

「あなたは五月五日の夜夕方から十二時頃まで、どこにいましたか」

「べつにどこへも行きませんわ。ちやんと自分のうち、青流亭のお帳場にいましたよ」

「ちがうでしよう。女中から板前まで調べてある。夕方出かけて、十二時ごろ、タクシーで帰つたことがわかつている」

「おやおや、たいそうくわしいんですこと。――じや、申しますわ。あたしは女手一つで、青流亭を切廻していますからね、人には言えぬ苦労もあるんですよ。ハッキリいうと、パトロンがあります。その、パトロンのところへ行つていたんですわ」

「パトロンというのが、殺された刈谷音吉じやないですか。こちらはあなたがあの老人のところへ、月に一回か二回、夜になつてから行くということをちやんと確かめてあるのですが」

「いやらしいこと、おつしやらないで下さい。刈谷さんは知つています。昔からの知合です。でも、あんなケチンボでへんくつな男に、どうして世話になんかなるものですか」

「すると刈谷老人のところへ月に一回か二回行く、その用件は何ですか」

「用件は……それは申せませんわ。ぜつたいにあたし、申しませんから」