Classici giapponesi con furigana
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
Leggi 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.999 caratteri · 67 schermate
だから、どうもよその雄を見ると、目について羨ましくて好意が持てるのです」
復一は人間を表現するのに金魚の雌雄に譬えるとは冗談の言葉にしても程があるものだとむっとした。しかし、こういう反抗の習慣はやめた方が、真佐子に親しむ途がつくと考えないでもなかった。真佐子に投げられて上顎の奥に貼りついた桜の花びらの切ないなつかしい思い出で――復一はしきりに舌のさきで上顎の奥を扱いた。
「お子さまにお嬢さまお一人では、ご心配でございますね」
茶を出しながら宗十郎の妻がいうと、鼎造は多少意地張った口調で、
「その代り出来のよい雄をどこからでも選んで婿に取れますよ。自分のだったらボンクラでも跡目を動かすわけにはゆかない」
結局、復一は鼎造の申出通り、金魚の飼養法を学ぶため上の専門学校へ行くことになり学資の補助も受けることになった。真佐子は何にも知らない顔をしていた。しかし、復一が気がついてみると、もうこのとき、真佐子の周囲には、鼎造のいわゆるよその雄で鼎造から好意を受けている青年が三人は確にいて、金釦の制服で出入りするのが、復一の眼の邪魔になった。復一の観察するところによると、真佐子は美事な一視同仁の態度で三人の青年に交際していた。