Classici giapponesi con furigana
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
Leggi 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.999 caratteri · 67 schermate
なぜであろうか。処女の恥辱のためであろうか。生物は本来、性の独立をいとおしむためか。それともかえって雄を誘うコケットリーか。ついに免れ切れなくなって、雌魚は柳のひげ根に美しい小粒の真珠のような産卵を撒き散らして逃げて行く。雄魚等は勝利の腹を閃めかして一つ一つの産卵に電撃を与える。
気がついてみると、復一は両肘を蹲んだ膝頭につけて、確く握り合せた両手の指の節を更に口にあててきつく噛みつつ、衷心から祈っているのであった。いかにささやかなものでも生がこの世に取り出されるということはおろそかには済まされぬことだ。復一のように厭人症にかかっているものには、生むものが人間に遠ざかった生物であるほど緊密な衝動を受けるのであった。まして、危惧を懐いていた異種の金魚と金魚が、復一のエゴイスチックの目的のために、協同して生を取り出してくれるということは、復一にはどんなに感謝しても足りない気がした。
休養のために、雌魚と雄魚とを別々に離した。そして滋養を与えるために白身の軽い肴を煮ていると、復一は男ながら母性の慈しみに痩せた身体もいっぱいに膨れる気がするのであった。
しかし、その歳孵化した仔魚は、復一の望んでいたよりも、媚び過ぎてて下品なものであった。