Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.957 caratteri · 31 schermate
この野郎、そいつあ鼻が高えぞ。しかし職人の中で、この瓦職なんざあ豪気なもんよな。殿様が下をお通りになっても、こう、上から見おろして――まったく、家のてっぺんの仕事だからな。床柱を削る大工といっしょに、昔から、まず、諸職の上座に置かれてらあ。」
惣平次が、おこうを見ると、おこうは、誇らし気な眼を、庄太郎へやった。
「うんにゃ、おいらなんざあ、駈け出しだから――。」
庄太郎は、得意に、微笑して、丈夫な音を立てて沢庵を噛んでいた。
おこうが、惣平次に、
「十日ばかり、ぱっとしない日が続いたねえ。お洗濯がたまって、大事だよ。」
「手隙を見て、おれが乾してやろう。」
もう起ち上って、庄太郎は、法被に袖を通した。突っかけ草履で、土間を戸口へ、
「父は、今日は、暇かえ。」
「ひまでもねえが、この二、三日、お石舟のお触れもねえから、揚げ石もあるめえと思うのだよ。」
「まあ、石場で、日向ぼっこでもしていなせえ。晩、帰りに、安房屋の煮豆でもぶら提げて来らあ。」
思い出して、おこうが言った。
「ゆうべのように風の強い晩などは、なんでもないようでも、やっぱり、心持ちがどうかしているとみえるねえ。