Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9874 caratteri · 20 schermate
「元どん、開けてやんな。」
「だ、誰だっ?」
「どなた?」
内と外から番頭と男の声が重なる。
「八丁堀だ。」と出て来た藤吉。「釘抜だよ。元さん、お前が面あ出さずば納まりゃ着くめえ。俺がいるんだ、安心打って、入れてやれってことよ。」
この言葉が終らないうちに、男は何思ったかやにわに逃げ出した。こんなこともあろうかと待ち伏せしていた勘弁勘次、退路を取って抱き竦め、忌応なしに引き戻せば、男はじたばた暴れながら、
「儂はただ、頼まれただけ、両方に泣きつかれて板挾みになったばかり、苦しい、痛いっ、これさ、何をする!」
「合点長屋の親分さんで?」と中からは元七が戸を引き引き、
「どうもこの節は御浪人衆のお働きがいっち強うごわすから、戸を開ける一拍子に、これ町人、身共は尊王の志を立てて資金調達に腐心致す者じゃが、なんてことになっちゃあ実もっておたまり小法師もありませんので、つい失礼――さあ、開きました。さ、ま、どうぞこれへ。」
早速の機転で小僧が点けて出す裸か蝋燭、その光りを正面に食って、勘次に押えられた因業家主の大家久兵衛、眼をぱちくりさせて我鳴り出した。
「違う、異う、この元七とは元七が違う!」