Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

「不浄役人のその方達に身分を明かすような我々でない。咎め立てせずと引き下がった方がかえってその方の身のためじゃ」

「黙れ!」と紋十郎は突っ刎ねた。「身分も宣らず行く先も云わぬとは、いよいよもって怪しい奴、仕儀によっては引っ縛り縄目の恥辱蒙らすがよいか!」

しかし相手はこう云われても驚きも恐れもしなかった。

「愚か者め」と憐れむように、覆面の武士は呟いたが、スーと駕籠脇へ寄り添った。「お聞きの通り不浄役人ども、駕籠先を止めましてござりますが、いかが取り計らい致しましょうや?」

恭しい言葉付きで駕籠の中の主へこう指図を仰いだが、しばらくは何んの返辞もない。と、急に美しい気高い声で軽く笑うような気勢がしたが、

「先方の越度にならぬよう、それとなく身分を明かすがよいわい」優しくこういう声がした。

「は、畏まりましてござります――これこれ鹿間紋十郎とやら、それでは身分を明かせて取らせる。この乗り物においで遊ばすは、将軍家お部屋お伝の方様に、お仕え申すお局様じゃぞ。しかもお犬様の源氏太郎様をお膝にお載せ在しますのじゃ。これでも止めだて致す気か? 本丸大奥に対しては閣老といえども指差しならぬ。