Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
「や、お米、咽喉突いたな!」
「傷は浅い! しっかりしろ!」
左右から抱かれて眼をひらき、
「親方さん、おさらばでござんす」
甚内の顔を見詰めながら、
「怨めしいはお前。……恋しいもお前。……二筋道に迷った妾。……冥土へ行ってお父様へ何んとお詫びを申そうぞ。……生きてはおれず、死んでも死なれぬ。……南無阿弥陀仏。夢でござんした。……」
そのまま呼吸は絶えたのである。
トントントントンとその刹那、表戸を続けて打つものがある。
「開けろ開けろ」と野太い声。
「南無三宝! 手が廻った!」
悲嘆から醒めて飛び上がる甚内。それを制して甚右衛門はフッと行燈を吹き消したが、ツツーと窓へ忍んで行き、そっと見下ろす戸外には、積もって解けぬ初雪白く、ポッと明るいここかしこに、一団、二団、三団、と捕り手の黒い影が見える。
「とても表へは出られねえ。こっちへこっちへ」
と梯子を下る。
六
今は火急の場合である。甚内は本意ではなかったが、投げ合掌と捨て念仏、お米の死骸へ義理を済ますと、すぐ甚右衛門の後へ従いて幾個かの梯子段を下りて行った。
裏の木戸口には人影もない。
「さあこの隙に。