Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
頭上を蔽うた森の木の梢をもれて、月が射した。板高く結った島田髷、それに懸けられた金奴、頸細く肩低く、腰の辺りは煙っていた。紅色勝った振り袖が、ばったりと地へ垂れそうであった。
「可愛いねえ、お前さんかえ、源さんや。花婿や」キリキリと腕を首へ巻いた。「さあ行こうよ、お宿へね」源太をグイと引き付けた。
「痛え痛え恐ろしい力だ。まあ待ってくれ、呼吸が詰まる」源太は手足をバタバタさせた。
「意気地がないねえ、どうしたんだよ。やわいじゃあないかえ、お前さんの体は。ホッ、ホッ、ホッ、ホッ、手頼りないねえ」源太の首へ巻いた手を、グーッと胸へ引き寄せた。
「む――」と源太は唸ったが、ビリビリと手足を痙攣させた。と、グンニャリと首を垂れた。
手を放し、足を上げ、ポンと娘は源太を蹴った。一団の火焔の燃え立ったのは、脛に纏った緋の蹴出しだ。
「化物だあァ!」と叫ぶ声がした。石地蔵の六が叫んだのであった。
息杖を握ると飛び込んで来た。と、娘は入り身になり、六蔵の右腕をひっ掴んだ。と、カラリと息杖が落ちた。「ワ――ッ」と六蔵は悲鳴を上げた。とたんにドンと地響きがした。六蔵の体が地の上へ潰された蟇のようにヘタバった。