Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
「小判で二百両、これでも不足かな」
三右衛門の前へドンと投げる。
「あまりお前が金々というから実はちょっとからかったまでさ」
「へえ、それにしてもこんな大金を……」
三右衛門は容易に手を出さない。
紋太郎は哄然と笑ったが、
「貧乏神のいったこともまんざら嘘ではなかったわい。……何の、三右衛、こういう訳だ。実は喜撰を掠られたので俺もひどく悄気たものさ。といってノメノメ帰られもしないで、知行所へ行って見るとどうした風の吹き廻しか、いつもは渋る嘉右衛門が二つ返辞で承知をしてくれ、いい出した倍の二百両というもの融通をしてくれたではないか。その上でのいい草がいい。――今年はご出世なさいますよとな。……で、俺が何故と訊いて見ると、何故だかそれは解りませぬと、こういって澄ましているではないか。……三右衛安心をするがいいぞ。どうやら貧乏の俺の家もこれから運に向かうらしい。貧乏神めもそういったからの」
こうして春去り夏が来た。その夏も逝って秋となった。
小鳥狩りの季節となったのである。
ちょっと来かかった福の神も何かで機嫌を害したと見え、あの時以来紋太郎の家へはこれという好運も向いて来なかったので、依然たる貧乏世帯。