Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.163 caratteri · 25 schermate
「やって見るが宜い、短刀は花嫁の胸へ前から突っ立っているんだぜ。扉の開いたところを射込んだのじゃ肩か頬に立つのが精いっぱいさ」
「へエ、そう言ったものですかね」
八五郎の結構な智恵も、これでおじゃんです。
「さて、それでは引揚げるとしようか」
平次はこんなことで見切りをつけた様子ですが、八五郎はまだ何やら粘っております。
「こんなにひどい血だから、駕籠の外へもこぼれたでしょう。血の後を逆に辿って行ったら、どこで殺られたか、一と目で判りゃしませんか」
八五郎はもう一つ結構な智恵を持ち出しました。
「素敵だ、化物退治にそんな筋のがあるぜ、――血の跡を慕って行くと、洞穴の中に、狒々の劫を経たのが、手傷を受けて唸っていたとね――ところが、こいつはそんな都合には行かないよ。駕籠を担いで来た若い衆の草鞋を御覧、――其方じゃない、後棒の方だ、――駕籠から血がこぼれたものなら、その草鞋にも血が付いて居なきゃなるまい」
「へエ?」
「ところが、草鞋は綺麗だ。血なんか付いちゃ居ないだろう」
八五郎は提灯を突きつけて見ましたが、二人の駕籠屋の草鞋には泥の外には何んにも付いてはいません。