Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にしきぎ

錦木

宮本 百合子

Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

ひくいけれども落ついた立派な態度と声でいった。乳母も髪をおろしてしまった。母君もおろしてしまいたいと云って居られる。こんな事を思った殿は、冷い風の吹いて来るような心持で、

「私は、御前のたれよりもまことの心をもって居て呉れたのを有難く思う、今まで有った事、私はその事についてしたお前の行がいかにも立派であったと思う。私は死んだ人にかわって御前のつくして呉れる心地を感謝するのだから――」

紅はだまってきいて居た。

「有難うございます」いかにもさとったようなひややかな声はしばらく立ってからその口をもれた。

紅はこれから乳母と共に別に一むねをもらってそこにほんとうの尼の生活をする事にきまった。光君の部屋は兄君即ち殿の持ち部屋になったけれ共、もとのまま光君の美くしい色の衣は衣桁に几帳も褥子も置いて有ったところに置いたままになって居た。

人達の頭の中からは中々いつまで立ってもこの悲しみはぬけそうにもなかった。