Classici giapponesi con furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
「ホホホホ、もう御やめあそばせ。実の親よりあの方のことを案じていらっしゃるかたが有るって云うはなしでございますよ」
「ほんとうに、うっかりして居ましたね。壁に耳有り障子に目あり、油断のならない世の中だのにネハハハハ。でもいいじゃあありませんか、別に悪口を云ったわけではなし、只まるで石か木のような人だと云ったばかりですものネ、そんなにうらまれもしますまいよ」
光君は急に鉾先が自分の方に向ったのでびっくりして今更のように赤い頬をすると急に障子の外から、
「御免あそばして、……紫の君のところから御使にまいりましたが」
まだにごりをおびない澄んだ童の声で有る。やがてとりつぎに女が出た様子で小さい声で何か云いあって居たが、
「それではよろしく御つたえ下さいますように」
と云って童はかえって行った。
やがてとりつぎをした女は皆の前に出て丁寧に手をつかえたままでやさしいこえを出して、
「只今紫の君さまのところから御人でございまして斯う御言つけがございました。
御まねきはまことに有難く、とんでもよりたい心でございますがあやにく少々気分が悪いのでふせっておりますし又ほんの少しではございますが熱が有るようでございますからまことに何でございますが今は失礼致しますから。