Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にしきぎ

錦木

宮本 百合子

Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

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「ほんとうにどうしたらよかろう、神さまもわりあいにはまもって下さらず……彼の人もなまじ姿や心が美くしいからそんなかなしいことになったんだろう、――もうまにあわない、何と云ってもなってしまったことだから」

こんなことを母君は云って居た。そばの女達は、「ほんとうにあさましいことになってしまいましてす、まるで私達の園の美くしい花が一夜の嵐にみんな散らされてしまったあとのような心地に――」若い女はかおを赤めながらこんなことを云って居た。

「どうにかしてなおせないかしら、まるで私の気が狂ってしまいそうだ。もうじき五月雨にもなるものを、マア、あのじめじめした雨の降る日に一日中一晩中、魔神の手なぐさみにされて居るように狂うあの人のことをきいたり見たりして居ることを思うと……」

しずんだいんきな声でこんなことを云いながら涙をこぼして居た。女は何も云われないほど気がふさいでしまって居るので皆てんでに溜息をついたりかなしいうたをうたったりして居る、只どうしようどうしようと思うばかりでそれをなおす手段などと云うものは思われないもので有った。

東の対では女達がいくら沢山居ても光君は紅と乳母にほか世話をさせないので只手をあけて淋しいかおをして御経をよんだりいのり文を書いたりして暮して居る。