Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かぎからぬけだしたおんな

鍵から抜け出した女

海野 十三

Leggi 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.188 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

僕はそんな恐ろしい人間なのだろうか。見ていると、これはどうやら、森虎造が賞金を出すのじゃないかと思われた。森虎は、亡き父の親友だと聞いていた。父が米国で死んだとき、それを当時東京に住んでいた僕たちに詳しく知らせてくれたのは、森のおじさんだった。またこの地へ、母のお鳥と僕とを心よく迎えてくれ、室まで僕たちに貸し与えてくれて好意を見せた森のおじさんだった。それが間もなく僕を苛酷に扱い、精神病院に入れたり、揚句の果は、僕を射殺しろとまで薦めている。……なんという恐ろしい変り方だ。……僕にはサッパリ理解ができないことだった。

賞金として銀二千ドル!

群衆は踊りのことも歌のことも、一時忘れてドッと歓声をあげた。

「畜生! お前らに掴まってたまるかい」

僕は建物の陰で拳をにぎり、ブルブルと身体を震わした。

そのときのことだった。

何者とも知れず、突然横合いから腕をグッと捉えた者があった。

「北川準一!」

失敗った! ハッと振りかえってみると、そこには結いたての島田髷に美しい振袖を着た美しい女が立っていて、僕の両腕の急所を、女とは思えぬ力でもってグッと締めつけているのだった。