Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Leggi 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.188 caratteri · 43 schermate
「僕は逃げるのはよします。それに母親もいますし……」
「母親! ああお鳥さんのことをいっているのですね。あれは貴方には関係のない継母なんです。それよりもぐずぐずしていて森虎造に見つかってごらん遊ばせ、立ち処に生命はありませんよ。まず貴方の身体を安全なところへ置くことです。……お分りになったでしょう。さあ、その鍵を、あたしに渡して下さい!」
そういわれてみると、僕は鍵を渡さないわけにはゆかなかった。しかしこの思い出深い鍵の中の恋人に別れることはなかなか辛いことだった。
「渡してもいいのですが、……実はこの鍵の中には僕の恋人がいるのです」
「鍵の中に恋人が?」
美しい庵主は愕いて目をみはった。それで僕は思いきって、鍵の中の恋人の話をした。それから昨夜街の軒下で見た高島田に振袖の美しい女が、この恋人と同じような顔をしていたことを述べた。
「まあ、――」と尼は面白そうに微笑して「貴方は、昨夜妾を教えたその女の人がお気に召したのネ」
「庵主さんの前ですが、僕はあの娘さんのことがだんだん恋しくなってくるのです」
「あら、御馳走さまですわネ」と庵主は尼僧らしくない口を利いて「じゃあ、あの娘さんに会いたかないこと?」