Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かぎやのつじ

鍵屋の辻

直木 三十五

Leggi 鍵屋の辻 (かぎやのつじ) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.524 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

腕が同じだと槍の方に歩がある。槍の目録に対して刀の免許が丁度いい位で、一段の差があるそうである。

又五郎は中段に位をとる。数馬は柳生流の青眼、穂先と尖先(きっさき)が御互にピリピリ働いて、相手に変化を計られまいとする。二尺余りを距てて睨合っているが、槍の方から仕懸けて行くらしく時々気合と共に穂先が働く。それにつれて刀も動く。と、閃めいた穂先、流星の如く胸へ走る、数馬の備前(びぜん)祐定(すけさだ)二尺五寸五分、払いは払ったが、帷子の裏をかいて胸へしたたか傷けられた。

「此処だぞ」

と、数馬は思った。

「自分は死んでもいい、その代りにはきっと又五郎は討取ってみせる、さあ来い」

又右衛門の仕込んだのは此決心である。身を捨てて敵を討つという必死の決心である、短い気合を二三度かけるが早いか、数馬は又五郎の手元へ飛込もうとした。さっと繰引いて突出す槍、胸へ閃いてくるのをそのままに片手で槍の柄を握るが早いか、半身を延して片手討の大上段、真向から斬込んでしまった。槍は離れて得な武器だが、附込まれて役に立たぬ。放すが早いか飛退って腰へ手がかかる刹那、左手(ゆんで)に槍をすてて片手なぐりに二度目の祐定が打下す。