Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くさりこうじょう

鎖工場

大杉 栄

Leggi 鎖工場 (くさりこうじょう) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4823 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

みんな、自分達の胃の腑の鍵を握っている奴の脳髄で、自由自在に働かされているのだ。ずいぶん馬鹿気きった話だが、事実は何とも仕方がない。

そこで俺は、俺の胃の腑の鍵を、そいつの手から取りもどそうと思った。しかしここでもまた、俺ひとりの胃の腑の鍵を、そいつから奪いとることは、とてもできない仕事であった。俺の胃の腑の鍵とみんなの胃の腑の鍵とが、そいつの手の中で、やっぱり巧みにもつれ合い結び合っていて、どうしても俺ひとりのだけを抜き取る訳に行かない。

またそいつのまわりには、いろんな番人がいる。みんな鎖をからだ中に巻きつけて、槍だの弓だのを持って立っている。恐くって寄りつけるものでない。

俺はほとんど失望した。そして俺のまわりの奴等を見た。

鎖で縛られていることも知らんでいるような奴が大勢いる。よし知っていても、それがありがたいものだと思っている奴も大勢いる。ありがたいとまでは思わないが、仕方がないと諦めて、やっぱりせっせと鎖を造っている奴も大勢いる。鎖を造ることも馬鹿らしくなって、見張りのすきを窺ってはちょいちょい手を休めて、自分の頭の中で勝手気儘な空想妄想を画きながら、俺は鎖に縛られているのではない、俺は自由の人間だ、などと熱にうかされてたわ言を言っている奴も大勢いる。