Classici giapponesi con furigana
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に、さんば――じゅうに、さんば
鏡花短篇集
泉 鏡花
Leggi 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.305 caratteri · 66 schermate
」と襷がけのまま庖丁を、投げ出して、目白鳥を掌に取って据えた婦は目に一杯涙を溜めて、「どうしましょう。」そ、その時だ。試に手水鉢の水を柄杓で切って雫にして、露にして、目白鳥の嘴を開けて含まして、襟をあけて、膚につけて暖めて、しばらくすると、ひくひくと動き出した。ああ助りました。御利益と、岩殿の方へ籠を開いて、中へ入れると、あわれや、横木へつかまり得ない。おっこちるのが可恐いのか、隅の、隅の、狭い処で小くなった。あくる日一日は、些と、ご悩気と言った形で、摺餌に嘴のあとを、ほんの筋ほどつけたばかり。但し完全に蘇生った。
この経験がある。
水でも飲まして遣りたいと、障子を開けると、その音に、怪我処か、わんぱくに、しかも二つばかり廻って飛んだ。仔雀は、うとりうとりと居睡をしていたのであった。……憎くない。
尤もなかなかの悪戯もので、逗子の三太郎……その目白鳥――がお茶の子だから雀の口真似をした所為でもあるまいが、日向の縁に出して人のいない時は、籠のまわりが雀どもの足跡だらけ。秋晴の或日、裏庭の茅葺小屋の風呂の廂へ、向うへ桜山を見せて掛けて置くと、午少し前の、いい天気で、閑な折から、雀が一羽、……丁ど目白鳥の上の廂合の樋竹の中へすぽりと入って、ちょっと黒い頭だけ出して、上から籠を覗込む。