Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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に、さんば――じゅうに、さんば

鏡花短篇集

泉 鏡花

Leggi 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.305 caratteri · 66 schermate

Aozora Bunko

奥様、此処まで、と声がして、駕籠が下りると、一人手を取って私を外へ出しました。

左右に土下座して、手を支いていた中に馬士もいた。一人が背中に私を負うと、娘は駕籠から出て見送ったが、顔に袖を当てて、長柄にはッと泣伏しました。それッきり。」

高坂は声も曇って、

「私を負った男は、村を離れ、川を越して、遙に鈴見の橋の袂に差置いて帰りましたが、この男は唖と見えて、長い途に一言も物を言やしません。

私は死んだ者が蘇生ったようになって、家へ帰りましたが、丁度全三月経ったです。

花を枕頭に差置くと、その時も絶え入っていた母は、呼吸を返して、それから日増に快くなって、五年経ってから亡くなりました。魔隠に逢った小児が帰った喜びのために、一旦本復をしたのだという人もありますが、私は、その娘の取ってくれた薬草の功徳だと思うです。

それにつけても、恩人は、と思う。娘は山賊に捕われた事を、小児心にも知っていたけれども、堅く言付けられて帰ったから、その頃三ヶ国横行の大賊が、つい私どもの隣の家へ入った時も、何も言わないで黙っていました。

けれども、それから足が附いて、二俣の奥、戸室の麓、岩で城を築いた山寺に、兇賊籠ると知れて、まだ邏卒といった時分、捕方が多人数、隠家を取巻いた時、表門の真只中へ、その親仁だと言います、六尺一つの丸裸体